【デルタパワー】 血糖値を下げる方法は 睡眠薬/ガッテン


「かかと落とし」以外にも、血糖値を下げる方法があった。

しかも、将来の糖尿病まで、予防してくれる。


それは、新しいタイプの睡眠薬(新薬)を飲むこと。


熟睡している時に出る、デルタ波。

これを増やすことが大事。

交感神経を鎮め、ストレスホルモンを減少させることができる。



<常住富大くんの洞窟実験>

理想の睡眠時間は?


すぐに眠れるようにするコツ。

<筋弛緩法>



解説:大阪市立大学医学部附属病院 稲葉雅章 医師。



2017年2月22日放送の「ガッテン」より、「最新報告! 血糖値を下げるデルタパワーの謎」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 血糖値を下げるデルタパワー




デルタパワーの新治療


ササミ
先週に引き続き、「血糖値を下げる方法」がテーマです。

実は、毎日のアレと、密接なつながりがあったのだ。

誰もがする、しないではおれない、アレ。

アレを改善する薬で、血糖値まで下がっちゃう。


そのキーワードが、「デルタパワー」

なんと、血糖値を下げるだけでなく、将来の糖尿病まで、予防してくれるんだって。


今週は、医学界大注目のデルタパワーに、迫ります。




デルタパワーを求めて向かったのは、栃木県 那須烏山市(なすからすやまし)。

山間にある、人工的に掘られた洞窟だ。

奥へ奥へと進んでいくと、家が?

実は、実験のために、ロッジを特別に建てたんですって。


栃木県 那須烏山市の洞窟実験


ガッテンボーイズの常住富大くんには、ここで6日間、暮らしてもらう。


でも、これでどうして、糖尿病になりにくい身体になるんだ?




デルタパワーを使った治療をしているというのが、大阪市立大学医学部附属病院。

稲葉雅章 先生は、糖尿病治療 38年のベテランです。

先生は、デルタパワーに注目し、糖尿病のまったく新しい治療法を生み出したのだ。


それに使うのが、ある新薬。

この薬を、17人の患者さんに使ったところ、14人が改善したという。

中には、血糖値が「30」も下がった人もいた。


稲葉先生のお話。

「薬物っていうのも最近、進歩していて、こういうのを使うことで、血糖管理というのは非常に良くなる、ということになります」




この新しい治療法を、体験してもらうことになりました。

都内に住む72歳の男性、Aさん。

15年前から糖尿病を患っているという。

治療の一つとして毎日ウォーキングしていますが、血糖値は下がりません。

夕食は、お米の代わりに、糖分が少ないシリアルを食べる。

それでも、Aさんの血糖値は下がらないのだという。


こんなに努力しているのに、血糖値は年々上昇。

10年前は「120台」だった血糖値が、今は「140」を超えるようになってしまった。

(空腹時血糖値は、「110未満」が正常)


そこで今回、デルタパワーを使った治療法を試すことに。

大阪で、稲葉先生を受診します。


まずは、特別な検査から。

その後、検査結果をもとに、診察が行われました。


分かったのは、デルタパワーが非常に少ないこと。


デルタパワーは、医療現場でも使われている言葉で、もともと人間が持っているものなんです。


健康な人に比べ、Aさんのデルタパワーは、少なかったんですね。


デルタパワー



診断の結果、Aさんには、デルタパワーを増やす新薬が処方されました。



東京に戻り、薬を飲み始めてから、1週間後。

Aさんの血糖値に変化が。

前は「140」を超えていたのが、「112」に改善したんです。


さらに、血糖値以外にも、うれしい変化がありました。

Aさんは言います。

「身体の動きが軽くなった」


デルタパワーを増やして血糖値を下げるという、新しい薬。

こんなものが、あったとは。




デルタパワーは、測定できるものなんですね。

Aさんの場合、「609」から「1168」に増えました。

その結果、血糖値は、「140台」だったのが「112」に改善。


でも、デルタパワーって、何なの?



スタジオに運ばれてきたのは、デルタパワーを測定する装置。

頭につけて、脳波を測るようです。


脳波といえば――


 アルファ波:リラックス

 ベータ波:集中

 シータ波:瞑想




そして、デルタ波は、血糖値に関係するのだ。


新薬を飲むと、デルタパワー=デルタ波の量がアップするんですね。

その結果として、血糖値が下がる。


デルタパワーを増加させる薬は、2014年に登場しました。

そして、この薬、実は、糖尿病の薬というわけではないんです。

誰もが知っている、〇〇薬。



頭痛薬? 便秘薬? 風邪薬?

さすがに、水虫薬ではないでしょう。


実は、「睡眠薬」なんです。



でも、どうして、睡眠薬が効くんだろう?




熟睡とデルタ波


ササミ
この新薬を飲むと、寝ている間に、デルタ波を増やしてくれるらしい。


そこで、実験です。

本日二人目のガッテンボーイ、池田倫太朗くん。

夜の病院、要クリニックへ。

脳波計をつけて、デルタ波が出る瞬間を、捉える。


寝る前、リラックスした状態では、アルファ波が出ていました。

さて、入眠後は、どうなるか?


やがて、激しく上下する波、デルタ波が出てきましたよ。

この脳波が出ている時、脳は特別な状態に置かれているのだという。


それを確かめるべく、スタッフが動いた。


まずは、声をかけてみる。

でも、起きません。


お次は、太鼓だ。

が、これでも起きない。


なら、サイレンなら、どうだ。

何! これでも起きないだと。


ええい、最終手段だ!

早朝バズーカで、どうだ!


おおっ、やっと起きた!


って、何の実験なの?



デルタパワー(デルタ波)とは、熟睡している時だけ出る脳波なんです。

これが増えると、血糖値が下がる。





血糖値が高い人、3名のデルタパワーは、こうでした。

( )内は、同年代の平均。


 Aさん 72歳:609(1450)

 Bさん 48歳:2204(2519)

 Cさん 45歳:681(2519)



やはり、平均より、少ないですね。




<血糖値と熟睡の関係>


血糖値が上がると、交感神経が「頑張るぞ」という状態になる。

そうすると、興奮しているので、熟睡できません。

熟睡できないと、脳はストレスを感じて、ストレスホルモンを出します。

その結果、血糖値が上がる。

血糖値が上がると交感神経が興奮状態になり――


この繰り返し、負のサイクルが始まっちゃうんです。



血糖値が上がる → 交感神経が興奮状態に → 熟睡できない → 脳がストレスホルモンを出す → 血糖値が上がる → (繰り返し)




稲葉雅章先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

大阪市立大学附属病院の 稲葉雅章 先生です。



糖尿病になると交感神経が緊張する。

これは 1対1の関係になっていると、言われています。

さらに、交感神経が活発になることで、デルタパワーが下がるということを、稲葉先生たちが見つけて報告したそうな。


そこで登場するのが、新しい睡眠薬です。

これは、熟睡をすごく上げてくれる薬剤なんです。


熟睡が上がる → ストレスホルモンが少なくなる → 血糖値も下がる → 交感神経が落ち着く → 熟睡できる → (繰り返し)


悪性サイクルが、いい方向に回るようになるのだ。

睡眠薬で負のサイクルを断ち切って、血糖値改善へ。




ゲストの島崎和歌子さんから、こんな質問が出ました。

「睡眠薬を飲み続けると、日中まで眠くなりそうなイメージがあるんですけど…」


稲葉先生によると、そのあたりは解決できているそうです。

新しい薬は、非常に安全性が高くなっている。

睡眠にだけ、ピュアに効くそうです。


昔のは、「GABA受容体作動薬」

脳の興奮全体を抑え、熟睡を取り戻すタイプ。


新しい薬は、「オレキシン受容体拮抗薬」(2014年発売)と「メラトニン受容体作動薬」(2010年発売)。

これらは、自然な睡眠を上げてくれる。


これまでの睡眠薬は、脳の活動全体を抑えて、眠りを誘うタイプでした。

一方、新しい睡眠薬は、脳が出す睡眠をコントロールするホルモンにだけ、作用するんです。

自然な深い眠りを、もたらしてくれる。


なので、副作用の心配も少なくなっているそうです。

(とはいっても、お医者さんの説明をよく聞き、指示に従って、服用してくださいね)



実は、睡眠障害があると、糖尿病の発症率が 2倍に。

なので、睡眠薬の使用で、糖尿病発症の予防にもなるというわけ。



糖尿病の人は、睡眠障害の自覚が、あまりないのだそう。

Aさんも、問題ないと思っていたのに、睡眠障害があった。


血糖値が高い人は、自分が熟睡できていないことに気づいてない場合が多いのだ!


気づくためのポイントは、「日中の眠気」

昼間に感じた眠気を、1週間ほど、記録してみてください(睡眠日記をつける)。

1時間を超える昼寝をしてしまったり、仕事に差し支える強い眠気を頻繁に感じる場合は、熟睡が足りていない証拠です。

かかりつけの医師に、ぜひ相談を。

あるいは、睡眠外来を受診してください。



ちなみに、寝酒は、あまりよくありません。

寝つきはよくなっても、睡眠の質は下がってしまう。

ということは、デルタパワーも下がるんですね。

(飲酒は、適度な範囲で)





ササミ
新たな睡眠薬で熟睡を増やせば、血糖値を下げることができる。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




常住くんの洞窟実験と理想の睡眠時間


ササミ
あれ?

何か忘れていると思ったけど、洞窟で暮らしている彼は、どうしてるの?


実は、常住くん、糖尿病を防ぐ もう一つ重大なことを、見つけてくれたんです。


実験を行ったのは、長さ100メートルの、洞窟の奥の奥。

そこに、特別な小屋を作った。

当然、音も光も、一切ありません。

つまり、理想的な睡眠が約束された空間。


栃木県 那須烏山市の洞窟実験


午後11時から午前11時までの12時間は、完全消灯。

外出禁止で、寝られるだけ寝てもらいます。

その他は、自由時間。


普段、睡眠には満足しているという、常住くん。

平均睡眠時間は、7時間とのこと。


さあ、実験開始です。


夜の11時に、消灯。

もう、真っ暗けのけ。

何も見えず、音もなし。


午前11時に、起床だ。

この日の睡眠時間は、11時間19分。

次の日は、11時間2分。

たっぷりですね。


ちなみに、昼間は、こんなことしていた。


 趣味のダンスの練習。

 マンガ(「からくりサーカス」?)を読む。

 時には、洞窟を出て散歩することも。



実験5日目。

本人の感想は、「睡眠ばっちりとれてるなって感じますね」。



そして迎えた、最終日。

血液検査をして、実験終了です。


「僕の28年間の人生の中で、一番寝たんじゃないかな」とのこと。




実験前は「7時間」だと言っていた、常住くんの睡眠時間。

1日目と2日目は、11時間ほど。

3日目と4日目は、10時間ほど。

5日目は、8時間半ほどでした。



「個人の最適睡眠時間と潜在的睡眠不足の推計」(国立 精神・神経医療研究センター)という論文があります。

普段、睡眠は十分とれていると感じている20代の若者 15人に、閉鎖空間で、9日間寝てもらったのだそう。

その結果、睡眠時間は、こうなりました。


理想の睡眠時間


実験前の平均睡眠時間は、7時間半ほど。

1日目は、10時間半。

それがだんだん下がっていって、最終的に、8時間半に落ち着きました。


国立 精神・神経医療研究センターの 三島和夫 先生のお話。

「(20代の)必要睡眠時間っていうのは、7時間半くらいっていうのが、世界中の研究で明らかにされていたはずだったんですが」

「それよりも1時間長い8時間半近く必要だったと分かりました」


この1時間が、ものすごく大きい。


睡眠時間とインスリン分泌能(HOMA-β)のグラフ。


睡眠時間とインスリン分泌能


7時間半だと「62.3」だったものが、8時間半だと「73.0」に増えている。


インスリン分泌能とは、すい臓がインスリンを生み出す能力のこと。

インスリンは血糖値を下げてくれるホルモンなので、この能力がアップするということは、将来、糖尿病になりにくくなるということなんです。


ちなみに、常住くんも、洞窟の睡眠で、インスリン分泌能が「80」から「89」にアップしてました。





<寝だめ>


「寝だめは、睡眠を貯めているのではなく、睡眠不足の負債を返済している」のだそう。


実験で、1日目の睡眠時間が多くなるのも、このため。

普段のツケを、返したからなのだ。

その後、落ち着いたところが、理想の睡眠時間なんですね。


寝だめが 3時間以上の場合、普段の睡眠が足りていない証拠です。



再び、三島和夫 先生のお話。

「すべての年代で、できるだけ短めの睡眠習慣をとるように、なってしまった」

「これ以上短くなると、眠気や疲労感が出てくるので、耐えられない」

「(実験の)20代の人も含めて、強い自覚症状が出る寸前のところで、必要睡眠時間より短いギリギリの落としどころで、生活しているということじゃないでしょうか」



さらに、こんなデータも。


日本の睡眠時間


日本人の睡眠時間は、1960年代から、ずっと減り続けているんです。

57年前には「8時間13分」だったものが、今では「7時間15分」に。



しかも、世界的に見ても、日本人の睡眠時間は、最低レベル。


世界の睡眠時間ランキング



健康のためには、寝ないといけないんですね。




すぐに眠れる筋弛緩法


ササミ
なかなか睡眠時間はとれないけど、せめて、寝室に入ったら、あっという間に眠りたい。

そういう人には、これはどうでしょう。


「睡眠時間を確保するコツ」


教えてくれるのは、国立 精神・神経医療研究センターの 綾部直子さん。

自分で自分をゆるめて熟睡へ、という技です。



<筋弛緩法>


身体の緊張を解いてリラックスすることで、心の緊張をほぐし、寝つきをよくする。


(1) イスに、浅めに腰を掛けましょう。

両足は、ペタっとつくような形。

(2) 手を軽く握り、脇を締めて、二の腕に力を入れます。

そのまま肩甲骨を寄せて、肩を上げ、足を上げる。

(3) 全身に、6~7割の力を入れて、5秒間キープ。

5秒経ったら、ストーンと力を抜く。

(4) 20~30秒間、筋肉がじわじわする感じを、味わってください。

(5) 軽く目を閉じ、これを 2~3回行う。



筋弛緩法


コツは、リビングなど、寝室以外で行うこと。

身体がリラックスしてから寝室に入ると、す~っと眠れることが多いのだそうです。



普段、私たちが活動している時は、交感神経が優位になっています。

筋弛緩法で、交感神経より、副交感神経が優位になるんですね。

これにより、寝つきや睡眠の質がよくなる効果があるのだ。


筋弛緩法は、筋肉に力を入れるので、身体や腰に負担や痛みを感じる場合は、無理しないでくださいね。




夜食の影響


ササミ
最後にもう一つ、睡眠のコツを。


20代の健康な女性に、実験してもらいました。

夜12時、寝る直前に、夜食(うどん、おにぎり、オレンジジュース)を食べてもらう。


お腹が満たされると、安心して、ぐっすり眠れそう。

翌朝の感想も、「ぐっすり眠れました」だった。


でも、デルタパワーは、「3560」から「2348」に減ってたんです。


寝る直前の夜食は、熟睡できなくなり、将来の糖尿病の危険をアップさせるようです。

寝る前、3時間は食べないようにするのが、熟睡のポイント。

覚えておきましょうね。





NHKガッテン!  血糖値をラク~に下げる! 科学の特効ワザ (生活シリーズ)



不眠の悩みを解消する本: 満足のいく眠りのための正しい方法


 



次回は、これ。

美肌効果の代名詞、コラーゲンの真実とは?

ホントに効くの?

「決定版! コラーゲンの効果 100%活用SP」。




[関係する記事]

 → 【骨ホルモン】 オステオカルシンを増やす方法は かかと落とし

 → 【快眠】森田豊 抱き枕でイビキ防止
 → 「睡眠クイズ 90分サイクル説の真相」
 → 「熟睡感を得る方法 睡眠日誌&筋弛緩法」




tag : ためしてガッテン 糖尿病 生活習慣病 睡眠





web拍手 by FC2

にほんブログ村 健康ブログへ

人気ブログランキングへ

【脳動脈瘤手術】 坂井伸幸/健康カプセル! ゲンキの時間(2/2)


スーパードクター二人目は、神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科部長 脳卒中センター長の坂井伸幸 先生。

人呼んで、巨漢のゴッドハンド。

未破裂脳動脈瘤の治療で、7500人以上の命を救ってきた。

先生の考える、医者の在り方とは?



2017年2月19日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「密着名医!脳卒中&謎の病」からのメモ書きです。




ゲンキの時間 脳動脈瘤のスーパードクター 坂井伸幸




脳外科医 坂井伸幸 


ササミ
続いてのスーパードクターは、この方。

兵庫県は神戸市にある、神戸市立医療センター中央市民病院。

脳神経外科部長で 脳卒中センター長の、坂井伸幸 先生。


体重およそ 100kg という、巨漢です。

太い指で操るのは、およそ 1mm のカテーテル。

繊細な技術力が求められる 脳外科の権威なんです。


坂井先生が考える、医師の在り方とは?


先生は言います。

「僕らは、職人や」

「最新の技術、機器の上に成り立つ医療やから、あたかも すごいこと やってるみたいに見えるけど、ま、基本的にはさ、道具と経験を使いこなして、目的を達する」

「まあ、職人や」



そんな職人技が発揮されるのが、「未破裂脳動脈瘤の予防治療」


脳動脈瘤とは、血管の壁に強い圧力がかかり、膨れてできた、やわらかい瘤(こぶ)のようなもの。

一度破裂してしまうと、くも膜下出血を引き起こし、およそ半数の人は命を落とす危険性があるため、破裂する前に処置することが大切なんです。


脳は言うまでもなく、とてもデリケートな場所。

その治療には、細心の注意と、高い技術力が要求されるのだ。


先生は、この動脈瘤の破裂を防ぐ治療を、年間200例行い、これまで救った命は、7500人以上。

飛び抜けた治療件数にもかかわらず、驚異の成功率を誇っているのだとか。





[治療の現場]


61歳の女性、Bさん。

自覚症状は、まったくなかったという。


昨年の5月、5年ごとに受けていた脳ドックで、2つの動脈瘤が見つかりました。

検査入院の結果、その大きさが発覚。

旦那さんの強い勧めで、治療を決めました。


一般的に治療した方がよいとされている動脈瘤の大きさは、5mm 以上。

Bさんの場合、1つは 5.4mm ですが、もう1つは 2.8mm という小ささ。

小さい方は 一般的には治療しないでよいとされる大きさですが、2つが隣り合っているのが、悩ましいところです。


けた外れの経験を持つ坂井先生をも、悩ませる症例でした。




そして、手術の日を迎えた。


今回行うのは、「脳動脈瘤コイル塞栓術(そくせんじゅつ)」

太ももの付け根の大動脈から、脳までカテーテルを挿入。

丸くなるように形状記憶された プラチナ製のコイルを、動脈瘤の中に詰める方法です。

コイルが詰まった動脈瘤には、血液が流れ込まないため、破裂を防ぐことができるのです。

日本では、1997年3月から、保険適用になった。

血管内治療のため、X線で透視しながら、カテーテルを進めます。


まずは、全長およそ 150cm のカテーテルを、太ももの付け根から、動脈瘤の入り口まで進めていく。

ただ入れればいいというわけではなく、血流のわずかな抵抗を、指先で読み取り、血管のカーブに合わせて、微妙にスピードを調節していかねばならない。


坂井先生は、わずか1分で、動脈瘤の手前に到着させました。

これは、通常の倍以上の速さだという。


患者さんは、カテーテルが脳に入った状態で、先生と会話しています。

実は、局所麻酔なので、患者さんは起きたまま。

会話などで様子を見ながら、治療を進める。


患部に到達し、いよいよコイルを挿入します。

コイルを詰めすぎれば破裂し、隙間が残ると血流を止められない。

職人技がものを言うのだ。


コイルの放出を数回繰り返し、隙間なく詰めていく。

コイルを入れ始めてからおよそ20分で、大きい方の動脈瘤が終了しました。

続いて、小さい方に着手する。


小さい方が難しいはずですが、さずか10分で終了。


脳動脈瘤コイル塞栓術


治療は無事、終わりました。

通常3時間以上かかるという治療を、約60分という驚異的なスピードで完了。

治療時間を短くすることで、ストレスや薬の量を減らし、患者の負担を軽くできます。




坂井先生は言う。

「一番大事なことは、治療の目的を見失わないこと」

「予防治療だから、完全を目指して 危険なことをやってはいけません」



患者さんの不安を、全力で取り去る。

坂井先生は、これからの患者の人生をも考慮して、治療にあたっているんです。



「医者は、ひと言で患者さんを、ホントに毎日、暗くしてしまうことができる職業なので、『大丈夫だと思う』という ひと言をいう」

「大丈夫じゃなかった時の医者にとってのリスク。だから、予防線を、医者が張りすぎない」

「自分の身を守るために、患者さんを不愉快な思いにさせるくらいだったら、自分の身がちょっと危うくても、科学的な根拠とか、医者の勘で、これは大丈夫やと思ったら、あえて、あんまり予防線を張らない」

「滅多に起こりそうもないような危険を、誇大に説明しない」






今回密着した、二人のスーパードクター。

その素晴らしい技術の裏には、たゆまぬ努力と、燃えるような情熱が秘められていました。





脳動脈瘤がみつかったら (健康ライブラリーイラスト版)






前半の記事 → 【総合診療科】 スーパードクター 生坂政臣





[関係する記事]

 → 「総合診療医ドクターGスペシャル」

 → 【動脈硬化】 簡単チェック法 アキレス腱&食後の眠気




tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 脳卒中 動脈硬化





web拍手 by FC2

にほんブログ村 健康ブログへ

人気ブログランキングへ

【総合診療科】 スーパードクター 生坂政臣/ゲンキの時間(1/2)


今回は、二人のスーパードクターを紹介。


一人目は、問診だけで病気を突き止めるエキスパート。

千葉大学医学部附属病院 副病院長で、総合診療科 科長の 生坂政臣 先生。

全国から、原因不明の病気に悩む患者さんが、紹介されてくる。

3段階の問診で 90% 診断をつける、プロフェッショナルだ。


足のしびれに、体重減少。

その原因は?


症例:血管炎。



ゲンキスチューデント:春香クリスティーン。



2017年2月19日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「密着! ニッポンが誇るスーパードクター」からのメモ書きです。




ゲンキの時間 スーパードクター 総合診療科 生坂政臣




総合診療科


ササミ
今回の主役は、二人の名医です。


痛みや不調を感じ、病院へ行っても、診断がつかず、正しい治療が受けられない。

そんな原因不明の病に苦しんでいる人が、実は、日本中にたくさんいるんです。

一人目は、こういった人々を救ってきた、総合診療科のスーパードクター。


二人目は、体重 約100kg以上でありながら、繊細な技術が求められる 脳卒中治療のエキスパート。

わずかなズレも許されない、そのスーパーテクニックの秘密とは?




番組出演者にとって、今まで印象に残るお医者さんは、どんな方なんでしょうか?


渡辺満里奈さんは、お母さんの白内障の手術をしてくれた、赤星先生。

患者を不安にさせないよう、物腰も柔らかく、やさしく接してくれたのだとか。


歯医者が苦手だった春香クリスティーンさんですが、日本では目の上にタオルを置いてくれたので、すごくリラックスできたらしい。


三宅裕司さんは、2011年に脊柱管狭窄症の手術をしました。

その時、お世話になった福井先生が、いち早く緊急手術してくれたのを、とても感謝しているそうです。





まずは、こんなクイズから。


Q)これら3つの症状が徐々に現れた時、どの診療科を受診するのが適切でしょうか?

 ・重い腰の痛み。

 ・肩や腕にも痛みがある。

 ・ニオイを感じにくい。











答えは、「神経内科」

整形外科に行きがちな症状ですが、それでもよくならない場合は、神経内科へ。

これらの症状は、パーキンソン病の可能性があるんです。


パーキンソン病とは、手足の震えや歩行障害が現れる、脳の神経細胞の異常による病気。

そのため、神経内科を受診するのが、治療への近道なんです。

しかし、腰や肩の痛みから、整形外科を受診してしまい、正しい診断がつかず、病院を転々とするはめになるケースも。



そんな患者さんの強い味方になってくれるのが、「総合診療科」なのだ。


総合診療科とは、患者さんから、症状について詳しく話を聞く「問診」を武器に、病気の正体を見抜くプロフェッショナル集団のこと。

この診断に特化した部門を大学病院に初めて導入した先生がいるんです。

それが、千葉大学医学部附属病院 副病院長で 総合診療科の科長、生坂政臣(いくさか まさとみ)先生だ。

総合診療科では、医者と患者の関係は独特だという。


生坂先生のお話。

「患者さんは、診断名は知らないけども、病気は分かってるんですよね」

「患者さんが真犯人を もう知ってて、推理小説の語りべとして、お話をしていただいて、それを我々は、聞かせてもらって、最後の犯人を当てる、あるいは、探す」

「それが診断名になりますから」


症状や不調の原因が分からず、他の医療機関から紹介される患者さんの数は、年間1000人以上だという。

そのうち、90%以上もの病気を、問診だけで突き止めることができるのだとか。


この驚きの数字を支えているのが、独特のシステムです。

より正確な診断をするために、3つの段階を設けている。


 (1) まず、専攻医が診て、

 (2) 指導医がチェックする。


それでも、病気の正体が分からない場合は、

 (3) 生坂先生が自ら、診察を行う。


(生坂先生が所属する千葉大学医学部附属病院 総合診療科への受診は、かかりつけ医からの紹介状が必要。なお、医師の指名はできません)





[診療の現場]


この日、総合診療科を訪れたのは、65歳の男性 Aさん。

症状が出たのは、およそ1年前です。

つらい症状を抱えたまま、8件も、診療科を受診しました。

様々な検査を受けたものの、いまだに診断がついていません。


(1) まずは、専攻医の太田先生(2年目)が問診します。


Aさんの症状は、以下の通り。

 ・最初、歩行時に、左足ふくらはぎに軽い痛みが出た。

 ・しかしやがて、しびれの強さは大きくなり、両足のヒザ下全体にまで広がった。

 ・現在は、常時しびれている状態。

 ・歩くと、しびれが強くなり、歩けなくなる。

 ・しかも、1年で体重が 10kg も減った。



太田先生の見立ては、こうでした。

代表的なのは、「血管の動脈硬化」もしくは「腰部脊柱管狭窄症」という2つの病気。

ですが、そのどちらでも説明できない症状(体重の減少)がある。



(2) 続いて、指導医の鋪野(しきの)先生(9年目)が問診。


最近、Aさんは、食べても体重が増えないのだという。


体重減少の場合、いくつが理由が。

 ・摂取量の減少。

 ・悪性腫瘍や炎症による、エネルギーの消耗。

 ・食べても吸収できない。


体重の減少と 足のしびれから推理する 鋪野先生の見立ては、「血管炎」。

血管炎は、身体に炎症があるため、体重がどんどん減ってしまうのです。



(3) 診断を確実にするため、今回は、生坂先生も直接問診することに。


先生の質問は、こうでした。

「他に、痛い場所はないですか? 例えば、顔とか」


そう聞かれて、Aさんは、ハッとした。

そういえば、最近、咀嚼(そしゃく)すると痛む。

噛んでいるうちに、痛くなる。


実は、顔についてのこの質問が、病名を決定づけることになったのでした。

顔の血管は、動脈硬化が起こりにくいため、血管炎と断定できる。


Aさんはその後、精密検査をし、「血管炎」の診断で確定しました。


血管炎とは、血管にアレルギー反応が起こっている状態のこと。

これにかかると、炎症により血管壁が むくんで、分厚くなってしまうんです。

すると、血管内が狭くなり、血液量が減少するので、酸素や栄養の供給不足になり、しびれや痛みが発生する。


Aさんの場合、その炎症が足やアゴなど、中くらいの太さの血管に起こっていたんですね。

また、血管の炎症は、多くのエネルギーを費やすため、体重が減りやすくなっていたんです。




Aさんはこの 1年、悩みに悩み、整形外科など、8件の診療科を受診。

レントゲンとMRIを2回ずつ、さらに、PET検査まで行ったそう。


それでも原因が分からなかった病気を、生坂先生率いる総合診療科チームは、3段階の問診のみで見抜いた。

まさか、しびれの原因が、血管だったとは。


診断の後、Aさんは、近所の医療機関で、治療を開始したという。




生坂先生に、モットーを教えてもらいました。

「私の座右の銘が日々向上なんですけど、日々向上が 我々プロフェッショナルとしての使命だと思ってますね」

「その当時、正しいと信じられていた知識、5年後には、半分はウソになるんです」

「もう、常に向上するしかない」

「現場に立っているかぎり、医師は向上しなければいけないんです」


「我々も、診断がつかない未解決ケースとして、X-ファイルというのを作っています」

原因不明の病に苦しむ患者さんたち。

その数をゼロにするため、定期的に近況を伺い、診断確定に努めているのだという。

「結論的に言えばですね、最終診断がつくまでは、追跡すると。あきらめないということですね」




原因不明の患者さんを救いたいという生坂先生たちの戦いは、これからも続きます。





めざせ!外来診療の達人-外来カンファレンスで学ぶ診断推論






後半は、脳動脈瘤のエキスパートが登場!




tag : 健康カプセル!ゲンキの時間





web拍手 by FC2

にほんブログ村 健康ブログへ

人気ブログランキングへ



FC2カウンター

 RSSリーダーで購読する

 メールで購読する



アーカイブ
 ためしてガッテンの
 アーカイブ 過去記事


 → 2011年 前半
 → 2011年 後半

 → 2012年 1月~3月
 → 2012年 4月~7月
 → 2012年 8月~12月

 → 2013年 1月~3月
 → 2013年 4月~6月

 → 食べ物・料理

 [全記事表示]

にほんブログ村 にほんブログ村へ

カレンダー
01 | 2017/02 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -
プロフィール

荒巻ケンコー

Author:荒巻ケンコー
カラダを労わるためのメモ帳。

栄養管理でメタボは脱出。
できるところから、他もメンテナンス。

最新記事一覧(サムネイル画像付き)
【デルタパワー】 血糖値を下げる方法は 睡眠薬/ガッテン Feb 23, 2017
【脳動脈瘤手術】 坂井伸幸/健康カプセル! ゲンキの時間(2/2) Feb 19, 2017
【総合診療科】 スーパードクター 生坂政臣/ゲンキの時間(1/2) Feb 19, 2017
【骨ホルモン】 オステオカルシンを増やす方法は かかと落とし/ガッテン Feb 16, 2017
【センテナリアン】 目指せ100歳 老年的超越/ゲンキの時間 Feb 12, 2017
月別アーカイブ
カテゴリ
スポンサードリンク
忍者
検索フォーム Google

記事内検索フォーム。
Google
注目記事
注目記事
忍者

注目記事
広告
食べ物の記事
健康の新常識
ダイエット 痩身
検索フォーム FC2
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
Flashゲーム&占いおみくじ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
にほんブログ村
ブログパーツ