【認知症】 接する時のポイント/きょうの健康


<本人視点のケア>が必要。

認知症の人にも、喜怒哀楽やプライドはある。

また、ご本人が、一番つらい思いをしている。

気持ちをよく聞き、病気や症状だけでなく、「人」に着目すること。



<接する時のポイント>

・頭ごなしに否定しない。

・失敗を責めない。

・指導をしない。

・プライドを傷つけない。

・正面から話しかける。



<こんな時、どうする?>

・ごはんまだ?

・あなた盗ったでしょう!




解説:日本認知症予防学会 浦上克哉 理事長。

司会:黒沢保裕、岩田まこ都。



2017年8月3日放送の「きょうの健康」より、「防げ! 認知症 最新情報 悪化をくいとめる対策」からのメモ書きです。




きょうの健康 認知症 本人視点のケア




本人視点のケア


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「認知症」です。


認知症を発症した場合でも、症状の悪化を防ぐことは、可能だという。

その際、適切な治療を受けることは もちろんですが、周囲のケアが、大きなカギを握るんです。



認知症のケアで、近年、重視されるようになった考え方が、こちらになります。



<認知症 本人視点のケア>


×:認知症の人は、何も分からない。


〇:認知症の人にも、喜怒哀楽やプライドはある。

〇:認知症の人こそ、つらい思いをしている。



これまで、認知症の人は、自分のことも、周囲のことも、ほとんど何も分からないのではないかと思われがちでした。

しかし、認知症の人にも、喜怒哀楽やプライドは残っていますし、認知症の人こそ、つらい思いをしているんです。


認知症 本人視点のケア


こういうことを踏まえて、ケアする必要があるんですね。




このような視点は、実際のケアには、どのように活かせばいいのでしょう?


専門家の先生に、教えていただきましょう。

日本認知症予防学会の 浦上克哉 理事長です。



<本人視点のケアが大切>


これまでのケアでは、周りで勝手に物事を決めていました。

でも、実際には、認知症の人には、感情や心身の力など、いろんな機能が残っています。

なので、そのような機能を重視して、ご本人の気持ちを中心に聞くことが大切になる。

また、ついつい病気や症状だけに注目が行ってしまいがちですが、人に着目することも大事。

その人のプライドを守った接し方をする。

これが、本人視点のケアになります。


本人視点のケア


医療や介護の現場も、現在は、本人視点のケアに変わってきているとのこと。




中核症状と周辺症状


ササミ
認知症の人のケアをする場合、その症状について、よく知っておく必要があります。



<認知症の症状>


 中核症状

・もの忘れ(記憶障害)。

・料理や買い物ができなくなる。

・日時や場所が分からなくなる。

・服が着替えられない。

・道具が使えない。

・言語障害。

・判断力障害。

・失認など。



【失認】

種々の感覚に異常がみられないのに、人や物を認識することができない状態。大脳皮質の障害によって起こる。

(大辞泉)




上記のようなものを、認知症の中核症状と呼びます。

脳の障害が直接の原因となり、認知症が軽い段階から現れる。



中核症状とは別に、周辺症状があります。


<認知症の症状>


 周辺症状

・暴言、暴力。

・徘徊(はいかい)。

・幻覚。

・妄想。

・睡眠障害。

・不安、焦燥。

・うつ状態。

・過食。

・不潔行為。

・多弁、多動など。




このような周辺状況があるので、家族や周囲の方々が、たいへん困るようなことが生じてしまいます。


ただ、浦上先生によると、この周辺症状というのは、中核症状とは違って、脳の障害が原因で起こっているわけではないのだという。

多くは、中核症状への心理的な反応で起こるのだとか。



では、周辺症状は、なぜ起こるのでしょう?


もの忘れであったり、いろんな症状のために、自分の思っているように、物事ができなくなってしまう。

そういったことの不安や混乱から、出てくる場合も多いようです。


また、そのようなことを、家族が分かってくれない、理解してくれないということから、周辺症状が出てくることも。


それから、環境だったり、人間関係だったり、本人の性格が、影響することもあります。




<周辺症状への対処>


一番大事なことは、本人の気持ちになって考えてあげること。

「なんで、こんな症状を起こすんだろう?」と思うようなことも、本人の立場になって考えると、「あっ、そういうことか」「あっ、そういう理由なんだ」と、気づけることもあります。


理由がしっかり分かれば、原因となっている環境を調整してあげる、改善をしてあげる。


それによって、本人が安心されるわけです。

また、安心できれば、症状も改善してくるということが、起こるのだという。


周辺症状への対処






接するポイント


ササミ
続いては、本人視点のケアという観点から、認知症の人と接する際の、ポイントについて。



<認知症の人に接する時のポイント>

 ・頭ごなしに否定しない。

 ・失敗を責めない。

 ・指導をしない。

 ・プライドを傷つけない。

 ・正面から話しかける。





 [頭ごなしに否定しない]

分かりやすい例だと、幻覚があります。

正常な人から見れば、何も見えないわけですから、「そんなものは、どこにもないよ」と言って、頭ごなしに否定しがち。

でも、本人には見えているわけですから、納得できず、人間関係が壊れてしまうことも。


そんな時は、見えないものであっても、「どんなものが見えるの?」と、丁寧に包容するように接してあげることが、大事になるそうです。



 [失敗を責めない]

正常な人でもあり得ることですが、失敗を繰り返すと、どんどん自信をなくしてしまいます。

人間、自信がないと、余計に、しなくていい失敗をしがち。

なので、失敗を責めるのではなく、できていることを褒めてあげましょう。

自信を持たせてあげることが、大事なんです。



 [指導をしない]

どうしても、家族や周囲の方は、「指導しないと、どんどん忘れていって、ひどくなってしまうんじゃないか」と思いがちです。

なので、注意して、指導して、少しでも認知機能が低下するのを防ごうとしてしまいます。


ところが、一度 認知症になってしまうと、指導されても、なかなかうまくできません。

家族も、そういうきちんとした理由で怒っているわけですが、患者さん本人から見ると、「理屈」というのは忘れてしまって、「怒られた」という感情だけが残りやすいんです。


というわけで、指導するというのは、よくない場合が多いのだとか。



 [プライドを傷つけない]

確かに、認知機能は低下しているかもしれませんが、プライドは、その年代の人々と同じものを持っています。

そういう人に、子ども扱いするような接し方や、子ども(赤ちゃん)に話すような言い方をすると、プライドを傷つけてしまうことがあります。



 [正面から話しかける]

認知症の人は、注意が及ぶ範囲が とても狭くなるのだそう。

なので、後ろから話しかけられると、気がつかないことがあるのだとか。


こういうことを知らないと、自分が声をかけているのに返事がない、と思ってしまいます。

ご本人の注意が行くように、ちゃんと正面を向いて、分かりやすく話しかけることが、大切なんですね。



認知症の人に接する時のポイント

 



具体的な対応


ササミ
続いては、実際の場面に応じて、具体的な対応を考えていきます。




<例(1) ごはんまだ?>


食事を摂ったばかりなのに、それをすっかり忘れ、「ごはんまだ?」と聞いてきた場合。


「いついつに食べたでしょ」と説明しても、理解してもらえないケースも多いようです。

なので、このような場合、「ちょっと待ってね」とか「ちょっと、アメでも食べといて」と言うとか。

また気を紛らわせるような、「テレビを見ていて」とかいう風に、上手に接していくのがよいそうです。

あるいは、そうはいっても食べたがるような場合、量を減らして食べさせてあげるのも、一つの方法だという。

(糖尿病などがあって、いっぱい食べては困るという方の場合は、別の方法を)


浦上先生の経験上、「この患者さんにとって、何が今の人生で幸せなんだろうか?」と考えた場合、食べることがそれに当たると思うことが多いのだそう。

そうであれば、少しでも幸せな気分になってもらうのも、いいのではないかと。




<(2) あなたが盗んだでしょう!>


認知症の人が、自分の持ち物をどこかに置き忘れてしまい、周囲の人に「あなたが盗んだんでしょ」と、しつこく迫ってくるような場合。


このようなケースを、「ものとられ妄想」というそう。

一番熱心に身近で介護しておられる方が 犯人扱いされてしまうというのが、一つの特徴です。


介護しておられる方は、もし、「あなたが盗んだんでしょ」とか言われたら、それに対して気を悪くするのではなくて、「これは一番身近で熱心に接しているから、こういうことが起こるんだ」という風に理解して、接していただけたらと。


具体的には、財布がなくなったと言われたら、「困りましたね」と返す。

そして、「じゃあ、一緒に捜しましょうか」と、一緒になくしたものを捜す。

この時、注意が必要なのが、自分が見つけても、それを口に出さないこと。

先に見つけてしまうと、「やっぱり、あなたが犯人なのね」と思われてしまうかもしれません。

なので、ご本人が見つけられるよう、うまく誘導した方がよいそうです。
 



薬を飲む時の注意


ササミ
アルツハイマー型の認知症では、薬で中核症状を抑えます。



<アルツハイマー型認知症の薬>


 軽度~

・ドネペジル。

・ガランタミン。

・リバスチグミン。


 中等度~

・メマンチン。



薬の治療でも、周囲のケアが大切だという。


お薬を渡すだけではなくて、飲むところまで、確認してください。

認知症というのは、どうしても、もの忘れしてしまう病気です。

ですから、飲むつもりでも、忘れちゃうことが多々ある。

口の中に入れてあげるとか、飲み込むまで確認するとか、そういうことが必要になります。



薬なので、副作用にも注意が必要。


ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンでは、食欲不振、吐き気、興奮など。

メマンチンでは、めまい、頭痛、眠気など。


ただ、副作用の中には、「実は効果が出ているために、これを副作用と誤解する」という場合も。

例えば、薬を服用しだして、興奮するようになったと。

こういう時、ご家族の方が厳しい声かけをしていて、それに反発したり、憤慨して、興奮しているようなケースもあるんです。

これは、厳しいことを言われたことに対し、ちゃんと反応しているということ。

そんな場合は、副作用ではありません。



副作用が気になることがあれば、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。





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tag : 認知症





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