AEDはともかく使う! 回復体位と救命新知識/ためしてガッテン

AEDは、ともかく使うこと。

意識がなくて呼吸をしている時は、回復体位を。

神経調節性失神や起立性低血圧について。

救急車を呼ばなくてもいい場合と、呼んだ方がいい場合。

AEDの操作方法と、胸骨圧迫。




急病で救急搬送される人の数は、年間で300万人以上。

他人事ではありませんね。

突然、自分の家族が倒れたら、どうすればいいのか?

冷静に、正しく、対処できるでしょうか?


今週のガッテンは、問題形式で、対処法を教えてくれます。



2013年1月30日放送の「ためしてガッテン」より、「家族が○○で倒れた! 後悔しない救命新知識」からのメモ書きです。




AEDはともかく使う! 回復体位と救命新知識




心肺停止後の生存率


・心疾患(心臓病)や脳卒中で
 亡くなる人が一番多いのが、
 冬だといいます。

・ということで、
 この季節は
 救急車の出動も
 多くなってくる。


・いきなり問題です。

・救急車を呼んだら、
 どれくらいで来てくれるでしょうか?


・正解は、全国平均で、
 およそ8分。


・心肺停止後の生存率、
 そのグラフがあります。

心肺停止後の生存率


・4分で生存率は、
 20%に下がってしまうという。

・8分では、10%以下に。


・ということで、
 救急車が到着するまでの
 約8分間。

・その間に、
 何をすればいいのか?

・何をすることで、
 生存率を上げられるのか?

・それがカギになりそうですね。




Q1:AEDは使う? 使わない?


・さっそくクイズです。


[問題]

・親子3世代で暮らしている、
 加藤さん一家(仮名)。

・みんなで散歩していたら、
 おじいちゃんが胸を押さえ
 倒れてしまいました。

・意識も、なくなっている。

・どうやら、呼吸もしてないようです。

・孫が駅から、
 AEDを持って来ました。

・でも、心臓に電気ショックを
 与えるということで、
 躊躇してしまいます。

・こういう時、AEDは
 使った方がいいのでしょうか?


・補足すると、
 呼吸は止まっているようです。

・心臓が止まっているかどうかは、
 よく分かりません。




[答え]

AEDは、とにかく使う。


・心臓が異常を
 起こしている人形に、
 AEDをセットしてみます。

・するとまず、
 心電図を調べてくれる。

・そして、AEDが、
 電気ショックが必要だと判断。


・そして今度は、
 正常な心拍の状態で、
 AEDをセットしてみる。

・すると、
 心電図を調べた上で、
 電気ショックは必要ないと
 判断してくれた。


AEDは、呼吸がなければ使う
 のが原則。

・胸やお腹の上下運動を、
 斜め上から確認する。

・呼吸していれば、
 胸やお腹は波打ちます。

・ただし、
 それでも分からない時は、
 迷わず装着する。

呼吸の確認ができない場合でも、
 AEDは使った方がいい


・必要かどうかは、
 AEDが教えてくれるから。



・ちなみに、
 AEDの普及台数は、
 医療機関を除いて、
 全国で 29万7千台。

・家庭の 12~20倍の
 電圧が流れます。


・ラスベガスのカジノ。
・その防犯カメラに、
 実際にAEDを使う様子が
 偶然にも
 映っていました。

・それを見ると、
 電気ショックを
 与えられた人は、
 ビクンと大きく
 体を のけ反らしています。

・この時、倒れた人は、
 無事に意識を回復したらいい。

・よかったですね。

・カジノの特性上か、
 AEDが配備され、
 よく訓練もされてるみたい。




・でも、一般には、
 どうでしょう?

・平成23年中に
 町の中で一般の人が、
 心肺停止状態の人を
 目の前にし、
 AEDを使えたケースは、
 全体の 3.1%にすぎません。


・AEDの設置場所は、
 市役所や公民館、
 駅などの公共施設。

・AEDのステッカーが目印。


AED設置場所 ステッカー


・詳しい使い方は、後半で。




Q2:救急車が来るまでの間は?


[問題]

・平静を取り戻した
 加藤家ですが、
 今度はおじいちゃんが
 頭を抱えて倒れました。

・呼吸はしているようですが、
 意識は少し
 もうろうとしています。

・救急車を呼んだのですが、
 なななんと、
 お父さんまで
 胸を押さえて倒れてしまった。

・追加の救急車も
 呼んだのですが、
 それまでどうすれば
 いいのでしょうか?


・補足ですが、
 おじいちゃんは
 頭を押さえて倒れた。
・パパは胸を押さえて
 倒れた。
・ふたりとも、
 呼吸はしている。


・以下の4つから、
 正解を選んでください。

 (1) 頭を高くする。
 (2) 足を高くする。
 (3) 横向きに寝かせる。
 (4) 触らない。



・頭を押さえているので、
 脳の血管が詰まる脳梗塞、
 脳の血管が切れる脳出血、
 などが疑われます。

・胸を押さえている場合、
 心臓の血管が詰まる心筋梗塞、
 血管が狭くなる狭心症、
 などが疑われる。



[正解]

どちらの場合も、
 横向きに寝かせる。



・最優先すべきは、
 「気道確保」なのです。

・最も危険なのが、
 おう吐したものが
 気道に詰まってしまう
 窒息なんですね。

・どんな病気でも、
 窒息が一番怖い。


・横に寝かせると、
 おう吐したものを
 外に出しやすい。

・また、誤嚥(ごえん)による
 肺炎も、
 治療の大きな妨げになる。

(誤嚥:誤って食物などが、気道に入ってしまうこと)



「回復体位」というものが
 あります。

・アゴの下に手を入れることで、
 気道を確保。

・ヒザは、
 上になっている方のヒザを
 前に出して、
 姿勢を安定させる。

(左右どちらが下でも、かまわない)


回復体位


・意識はないけど
 十分な呼吸をしている時は、
 回復体位に。




Q3:○×クイズ


・VTRで出題してくださるのは、
 横浜市消防局救急課の
 池谷稔さん。



[問題(1)]

・人が倒れています。
・意識がなかったので、
 体を軽くゆすり
 声をかけ続けました。

・これは、○でしょうか?
・それとも、×でしょうか?



[答え]

・正解は、×。

・倒れている人の中には、
 脳卒中の人や
 首を骨折している人が
 いるかもしれません。

・その場合、体をゆすると、
 容体が悪化する可能性がある。

・なので、
 肩をポンポンとたたいて
 声をかけること。

・反応がなければ、
 すぐに助けを呼ぶ。




[問題(2)]

・人が倒れていて、
 意識がない上に、
 けいれんを起こしています。

・舌を噛み切るといけないので、
 そっと口に
 ハンカチを噛ませました。

・これは、○でしょうか?
・それとも、×でしょうか?



[答え]

・これも正解は、×。

・口の中に物を入れると、
 窒息の可能性があるので
 絶対にしないこと。


・昔は、しゃもじを噛ませるなど
 という言い伝えがあったそう。

・でも、けいれんした人が
 舌を噛んで死ぬことは
 まずないそうです。


・ともかく、いい状態で、
 救急車を待ちたいですね。

・ガッテン! ガッテン!




Q4:倒れたけど、意識が回復?


[問題]

・またまた、加藤家です。

・今度は、姉が倒れました。

・意識はないけど、呼吸はある。

・と、すぐに意識が戻って、
 大丈夫だと本人は言います。

・でも、重病かもしれないし、
 単に貧血かもしれない。

・救急車は呼ぶべきか?
・それとも、呼ばなくていいのか?



・このようなケースでは、
 ある病気が多いそう。

・お姉さんも、
 その病気ではないかと。



[正解]

・この病気の場合は、
 呼ばなくてもいい。


・病気の名前は、
 「神経調節性失神」

・またの名を、
 「起立性低血圧」

・いわゆる脳貧血で、
 学校の朝礼などで倒れてしまう
 あれですね。


・ただし、注意点があります。

・救急車には乗らなくていいですが、
 一度も診断を受けたことがない場合は、
 一度受診した方がいい。

・自律神経の病気なので、
 病院へ。

・また、似た症状で、
 心臓が原因の場合もある。




・どんなに意識があっても、
 本人がだいじょうぶだと言っても、
 救急車を呼んだ方がいい
 ケースもあります。

・それを、次に説明しましょう。




救急搬送について


・スタジオに、専門家の先生が
 登場してくれました。

・日本医科大学付属病院
 高度救命救急センターの
 布施明さん。

・歌手の方と、同姓同名です。

・でも、デビューは、
 こちらの布施先生の方が
 はやいそうです。

・きっと、毎度毎度、
 いろんなところで、
 言われるんだろうな~。


・程度別の、
 救急搬送者数の
 グラフがあります。

程度別 救急搬送者数


・救急搬送された人の
 半数以上が、
 軽症の患者さんです。

・例えば、軽度の風邪でも、
 119番を要請する場合が
 けっこういる。

・これによって、
 救急車が送れる原因に
 なることも。

・あきらかに軽症の場合は、
 救急車は呼ばないこと。



・でも、逆に、
 呼んだ方がいい場合も
 ありますよ。


<迷わず、救急車を呼んだ方がいいケース>


[脳梗塞・脳出血]

・手足にマヒ。
(左右差があるなど)
・ろれつが回らない。
・顔半分がマヒでゆがむ。
・ヘンなイビキをかく。
(ノドの方に、舌が落ちる)


・脳梗塞には、
 脳の血栓を溶かす薬が
 あります。
・それは、発症から4.5時間以内なら
 使用可能となる。



[くも膜下出血]

・バットで殴られたような
 痛み。
・経験したことがない痛みが、
 主に後頭部に起こる。



[心筋梗塞・狭心症]

・胸がひどく痛む。
・肩や首、歯にまで
 及ぶ場合もある。

・胃の辺りが、
 不快になる場合も。

・糖尿病などの持病があると、
 痛みがない場合も。



・大事なのは、
 判断に迷った場合は、
 救急車を呼んでも構わない!

 ということ。

・それを、基本にする。




AEDの使い方


AEDは、フタを開けると
 アナウンスで指示してくれます。

・まずは呼吸の確認をするのですが、
 呼吸してなければAEDを使用する。

・指示に従って
 電気パッドを装着すると、
 「体に触らないでください」
 「心電図を調べています」
 との音声ガイドが流れる。

・電気ショックが必要な場合は、
 指示に従って、
 体から離れてボタンを押す。




・でも、実は、
 ここからが大事なんです。


・その前に、クイズ。

・AEDのそもそもの働きとは、
 何でしょう。

・下の空欄を埋めてください。

・「心臓を○○○」

・分かりますか?



・答えは、
 「心臓を止める」


・心臓は通常、
 規則正しく拍動することで、
 血液を全身に送り出している。

・しかし、呼吸停止状態に
 陥った場合などは、
 心臓は けいれんを起こしてしまう。

・こうなると、血液を
 全身に送り出すことが
 できません。

・これを、「心室細動」
 という。

・というわけで、
 AED(除細動器)の役割は、
 心室細動を止めることだったのです。




・電気ショックが正しく
 行われると、
 音声ガイドは、
 胸骨圧迫と人工呼吸をするよう
 指示します。

・胸骨圧迫とは、
 心臓マッサージの新しい名称。


・布施先生によると、
 人工呼吸は
 必ずしもしなければならない
 ということは、ないそうです。

・今のデータだと、
 人工呼吸をしなくても
 ほとんど差がない。

・練習をしてない人が
 人工呼吸をするというのは
 かなり難しいのだそう。

・なので、胸骨圧迫の方を
 しっかりと行うのがよい。




胸骨圧迫


<胸骨圧迫の方法>

・圧迫をするのは、
 手のひらの根元、
 ふくらんだ部分です。

・そこを胸の真ん中、
 そこに胸骨があるので、
 胸骨の真ん中、
 胸の真ん中に
 手を二重に当て、
 腕を組んで、
 ヒジはまっすぐにし、
 1回につき
 5センチは入るように
 押し込む。

・また、1回押したら、
 しっかり元の状態まで
 戻すこと。

・体重を乗せて、
 しっかり押しましょう。

・テンポは、
 少なくとも毎分
 100回以上押すこと。

・それを続ける。

・呼吸がない場合は、
 すぐに行う。




・注意点です。

胸骨圧迫やAEDは、
 人では絶対に練習をせず、
 講習会の人形で
 練習してください。




・さて、スタジオでは、
 宮本亜門さんが
 胸骨圧迫に挑戦。

・毎分100回以上ということで
 こんな曲が用意されました。

・ジョン・トラボルタの
 映画でもおなじみ、
 ビージーズの
 「ステイン・アライヴ (Stayin' Alive) 」。



・いろいろ学んできましたが、
 いざという時は
 気が動転してしまうものです。

・なので、困った時は、
 人を呼びましょう。

・119番に電話する人、
 AEDを探す人、
 胸骨圧迫をする人など、
 手分けして作業できます。





NHK ためしてガッテン 2012-2013年 Vol.17 冬号




DVDで学ぶカンタン!救急蘇生―胸骨圧迫&AED完全マスター


 





救急車を呼んだことはないけど、この先どうかは分かりませんね。

事前にシュミレーションしておく方が、いいかも。

気が動転したら、何もできないだろうし。

あと大切なのは、人を呼ぶことか。

冷静な人がいるのといないのとでは、全然違ってきそう。

救急車呼んだり、指示を聞いたりするにも、ある程度冷静でないとね。

1分1秒がその後を左右するかもしれないわけだから、これは重要だ。


自分はだいじょうぶだと過信する前に、子どもや家族のことを考えた方が、いいのかな?



[まとめ]


・AEDはとにかく使う。
・必要かどうかは、
 心電図を測定し、
 AEDが判断してくれる。

・目安は呼吸だけど、
 確認できない場合でも、
 AEDは使ってみる。


・救急車を呼ぶまでの間は、
 横向きに寝かせて
 気道を確保する。
・これは、おう吐したものを
 外に出しやすいから。

・これを回復体位という。
・意識はないけど
 呼吸している時に
 こうするとよい。


・倒れて意識のない人は
 体をゆすらずに、
 肩をポンポンとたたいて
 声をかける。


・救急車を迷わず、
 呼んだ方がいいケース。
・脳梗塞や脳出血。
・くも膜下出血。
・心筋梗塞や狭心症。
・この場合は、
 意識があっても
 救急車を呼ぶこと。


・何かあったら、
 まず人を呼びましょう!





次回は、「年間1万人! 死に至る腰痛があったとは!?」。





NHKためしてガッテン脱・高血圧の「超」常識 (主婦と生活生活シリーズ ガッテン「超」健康ブックス)




最新図解 救命・応急手当の手引き












 → 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 8月~12月」




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