食中毒の新常識 加熱で増えるウェルシュ菌/ためしてガッテン

今週のテーマは、食中毒。

そこには、新常識がありました。


腐ったものを食べても、病気になるとは限らない。

腐敗菌と食中毒菌との違いは?

加熱でかえって菌が元気になるって、本当?

給食菌と呼ばれる ウェルシュ菌の特徴とは?

手洗いは、逆効果?



2013年6月12日放送の「ためしてガッテン」より、「こんなのアリ!? 食中毒 信じられない新常識!」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 食中毒の新常識




食中毒の季節


ササミ
今週のテーマは、「食中毒」

エノキ
あ~、そんな季節ですね~。

ササミ
みなさんも、手洗い、加熱、冷蔵など、予防や対策をされていることだと思います。

でも、意外な新事実が、そこにはありました。


北里大学 医療衛生学部の滝龍雄 准教授はおっしゃった。

「みなさんがやってる手洗いの仕方というのは、実際には効果がないことが多いですね」

「逆に、病気の原因になってしまう」


加熱についても、東京顕微鏡院 食と環境の科学センター 伊藤武 理事はおっしゃった。

「熱によって逆に、菌が元気になって、食中毒を起こします」


日本食品衛生学会 元会長 東京家政大学 藤井建夫 特任教授は、こんなことを。

「腐ったものを食べても、下痢とか嘔吐とか腹痛という食中毒の症状を、起こすことはない」

エノキ
じぇじぇじぇじぇ!

いったい、どういうことだろう?



ササミ
夏場は、細菌が原因の食中毒が増える時期。

では、食中毒の季節と言われる2大要素とは、何でしょう?

エノキ
温度と湿度ですか?

ササミ
その通り。

でも、食中毒には、意外と知らないことが多いようです。

それを、一つずつ見ていきましょう。




クサいからといって食中毒になるとは限らない?


ササミ
2008年にノーベル賞を受賞した日本人、下村脩(しもむら おさむ)博士。

光るクラゲから蛍光物質を取り出すことに、世界で初めて成功しました。

そしてこの技術は、様々な分野で、応用が始っています。


その一つが、これ。

見た目は普通のお弁当なんですが、暗くすると、あら、光りました。

実はこれ、クラゲの蛍光物質を使って、食中毒菌を光るようにしちゃったんですね。

これなら、菌が一目瞭然で分かります。

(実験協力:東京大学薬学部 微生物薬品科学教室)



さっそく、現役バリバリの主婦4人に協力してもらい、実験開始です。

(A)と(B)、2つのお弁当があります。このうちの1つに、前日、光る食中毒菌をかけてある。

さあ、危ないお弁当は、どちらでしょうか?


主婦のみなさんが選んだのは、(A)です。ニオイも見た目も、怪しい。

スタジオのみなさんも、(A)が怪しいとにらみました。すごいニオイがするようです。


でも、答えは、なんと(B)だったんです。

これは、どういうことでしょうか?


藤井建夫さんに、話をうかがいました。

「普通の人は腐ってクサいものを食べれば食中毒になると思ってますけども、食中毒とは 腐敗とは全く別の現象で、腐ったものを食べても、必ずしも病気になるとは限らない」

「普通は、病気にならないと思っていいんですね」


エノキ
じぇ、じぇじぇじぇ、じぇ!

どういうことですか?


ササミ
実は、(A)のお弁当にかけておいたのは、「腐敗菌」。

腐らせるだけの菌なんです。

そして、(B)のお弁当にかけたのは、「食中毒菌」。

菌は菌でも、食中毒菌は、毒を作るなど 体に害を及ぼす菌なのです。

腐敗菌は、ニオイとネバネバを出す。

そして、このニオイが好きなニオイだった時、「発酵」と呼ぶんですね。

納豆にチーズなんかが、そう。


藤井建夫 先生は、こうおっしゃいました。

「腐ったものを間違って食べたとしても、嫌悪感がしたり精神的にちょっと嫌な感じは残りますけど、直接病気には ならないと思っていい」


腐敗によって生じた成分が、人によっては健康を損ねる場合もあります。

でも、誰にとっても毒となる食中毒菌とは、まったく別物なんですね。


エノキ
今日は、驚くことばっかりだ。


ササミ
こんな実験があります。

食中毒菌の一種、黄色ブドウ球菌を試験管の中に入れて、腐敗菌もさらにそこに加えた。

つまり、1本の試験管に、腐敗菌と食中毒菌が 両方入っている状態。

これを今度は、シャーレに塗って、培養します。

これと比較するために、黄色ブドウ球菌だけを培養したシャーレも用意しました。


1日後、2つのシャーレを比較。

すると、一目瞭然、黄色ブドウ球菌だけのものはすごく増えているのに、食中毒菌と一緒にしたものは あまり増えてなかったのです。


それについて、東京大学 薬学部 垣内力 准教授が説明してくれました。

「ブドウ球菌の増殖が、腐敗菌が存在すると、強く抑制されるということが分かりました」


黄色ブドウ球菌は、腐敗菌と一緒だと、単独の時の1/20の増え方にとどまります。

栄養分を取り合って、黄色ブドウ球菌が負けちゃうんですね。


エノキ
食中毒って、見た目やニオイでは分からないんですね。

それで分かるなら、こんなに食中毒患者は増えないか。

なるほどな~。



<注意!>

腐敗したものに、ごく少量でも 激しい症状を引き起こす、例えば O157(オーいちごなな)のような食中毒菌がついていることもあり得ます。なので、腐敗したものを わざわざ食べるようなことは、絶対にしないで下さい。





加熱で菌が元気に? ウェルシュ菌とは?


毎年、各地で起きている、食中毒事故。

その実態を調べてみると、意外な事実が分かりました。

料理をちゃんと加熱したのに、食中毒が起きてしまうケースが、後を絶たないんです。


神奈川県の女性。

日頃から、殺菌には、細心の注意を払っています。

しかしです、それなのに、食中毒になってしまった。

原因は、ふだんからよく作る、カレー。


2009年の4月。

女性は、10人前のカレーを作った。

材料は、豚肉、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ。

じっくり煮込んで、カレーが完成。

女性は、できたてよりも、翌日に食べるカレーが好きです。

この時も、翌朝、しっかりと加熱したカレーを食べました。

でも、食中毒になってしまったんですね。

激しい症状が3日間続き、入院することになってしまいました。


でも、いったいどこに、問題があったというのでしょう?



ササミ
病院で調べた結果、原因となった菌が判明しました。

それは、「ウェルシュ菌」

ウェルシュ菌は、食中毒の原因のうち、細菌性のものでは、患者数が第2位なんです。

その別名は、「給食菌」

外国では、「カフェテリア菌」とも呼ばれています。

なぜ、こう呼ばれるのか?

大量に調理されるようなもので、よく食中毒を起こす原因になる菌だからです。



先ほどのカレーですが、調理の過程を見てみましょう。


(1) 材料を切る。

(2) 加熱する。

(3) 寝かせる。

(4) 再加熱する。

(5) 翌日食べた。


特に問題ないように見えますが、どこが問題だったんでしょう?



ウェルシュ菌ですが、材料の豚肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、このすべてにいた可能性があります。ウェルシュ菌は土の中にいて、どこについていても、おかしくないんです。

このウェルシュ菌ですが、1グラム当たり100個以下なら、食べてもお腹が痛くなったりしません。

しかし、女性が食中毒になたっ時は、1グラム当たり10万個以上いたといいます。1回にかけるルーの量を考えると、数千万個はいたのではないかと思われる。

この大増殖のきっかけは、「加熱」にありました。


エノキ
加熱で菌が増殖ですか?

どういうことだろう。

普通は、菌が死ぬんじゃないの?


ササミ
ウェルシュ菌と他の菌で、繁殖力の競争をしてもらいます。

対戦相手は、大腸菌と黄色ブドウ球菌。

ウェルシュ菌ですが、実は、繁殖力がとっても弱い。

夏場の台所に近い環境で3時間培養すると、大腸菌は1500倍。黄色ブドウ球菌は100倍。でも、ウェルシュ菌は増えていませんでした。

じゃあ、何で、カレーのウェルシュ菌は増えたんだろう?



カレー鍋の中では、こんなことが起こってました。

鍋の中に、身の回りの菌が、何種類か入っていたとします。

黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、それに、ウェルシュ菌。


鍋を加熱します。

そして、鍋の中の温度が上がってくると、食中毒菌の多くが死んでいきます。

黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、みんな死んじゃった。

で、ウェルシュ菌がどうなったかというと、丸まりました。

これを、「芽胞(がほう)」と言います。

カプセルのようなものに入った状態。

この状態のウェルシュ菌は、繁殖力ゼロです。


鍋の火は、一度消されます。

そして、寝かされた。


おや、温度が55℃を切ったあたりで、変化が。

ウェルシュ菌が、復活したのです。

そしてウェルシュ菌が目覚めると、さっきまでとは環境が違ってました。

他の菌がいない。それに、酸素が少なくなってる。

実はウェルシュ菌は、酸素が苦手。

その酸素が加熱でなくなっているため、ウェルシュ菌にとって、楽園のような環境になっていたのです。

このような条件が重なって、ウェルシュ菌が大増殖したんですね。


ウェルシュ菌が増えやすいのは、20℃~55℃という温度帯

火を止めて、わずか7~8時間であっという間に、あの1グラム当たり10万個という すさまじい数に増えてしまうんですね。

ウェルシュ菌は、また火にかけると、芽胞になります。そして、ウェルシュ菌の芽胞を食べると、腸内で芽を出す可能性があるというわけ。


カレーやシチューなど、大鍋で作るドロっとした料理は、ウェルシュ菌に注意。


ウェルシュ菌がお腹の中に入っても悪さをしないぐらいに減らすには、100℃で15分以上 加熱を続けるという方法があります。

でも、再加熱でグツグツ15分煮続けることは、あまりありませんよね。



<ウェルシュ菌 対策>

カレーやシチュー、スープなどを作って余らせた時は、ウェルシュ菌を増やさないために、2時間以内に20℃以下に冷やす必要がある。

オススメは、鍋の粗熱が取れた段階で、かき混ぜながら、よく酸素に触れさせながら、小分けの容器に移す。それを、冷蔵庫で保存します。




ササミ
ウェルシュ菌においては、加熱を過信しないで下さい。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




手洗いは逆効果?


ササミ
まずは、実験です。

トイレのあとの手洗いを想定して、トイレットペーパーを用意しました。

よく消毒した指に、トイレットペーパーを、30回巻きつける。

この状態で、大腸菌がいるシャーレを触ります。

5秒間タッチ。

エノキ
さすがに、30回も巻けば、大丈夫でしょう。

ササミ
トイレットペーパーを外した指を別のシャーレにつけて、調べると…

何と、大腸菌がいることが分かりました。

エノキ
30枚を、突き抜けちゃいましたか!



ササミ
こんな論文があります。

「種々の手洗いにおける細菌学的考察について」
「第2報 手洗いの効果と汚染部位について」

そこに、こう書かれてありました。

「石鹸を使用して手洗いすると(中略)細菌数が大幅に増加する」

エノキ
手を洗うと菌が増えるって、どういうことですか?



ササミ
ここで再び、実験です。

協力していただいたのは、神奈川県相模原市にある、北里大学。

日本の細菌学の父と呼ばれる、北里柴三郎 像も、実験を見守ります。


まずは、手のひらについている細菌を、調べさせてもらう。

次に、参加者は、「影絵を熱演した後、お菓子を用意しています」と、スタッフから案内を受けます。

そこで手洗いにさりげなく誘導し、こっそりチェックしようという作戦。


みなさん石鹸で、ゴシゴシ手洗いしています。

手の甲まで、ちゃんと洗ってる。


さて、手洗いの前後で、菌の数はどうなったでしょうか?

5人の結果は、以下の通り。


1人目、1086 → 275。減りました。

2人目、897 → 158。減りました。

3人目、101 → 79。減りました。

4人目、316 → 327。増えました。

5人目、36 → 161。増えました。


エノキ
増えるっていうのは、やっぱり分かんないな~。


ササミ
増えた人の手洗いのあと、菌がいたのは、こんな部分です。


手洗いで菌が増える


ちゃんと手を洗っていたのに、どうしてこうなったのか?

菌が検出された部分も、ちゃんと洗っていたのに。


その理由を、滝 先生が教えてくれました。

「石鹸で汚れを落とすと逆に、その汚れの下にあった菌が出てくる危険性はあるんですね」

「基本的には、やらないよりは、やった方がいいんですけど、ただ、中途半端な洗い方だと、逆に病気の原因になってしまうと思うんですね」


もう一度、菌の分布を見てみます。


手洗いで菌が増える


これで、お分かりですね。

これらの菌は、シワの間から出てきたと思われます。


シワ、ひだ、ツメの先端など、手には「くぼみ」があります。

この部分は、細菌がカタマリになって、入り込みやすい場所。

でも、石鹸の力で、菌は洗い出されます。

ただし、石鹸をしっかり泡立てていないと、実は、菌を手の表面に広げてしまうだけで、残ってしまうこともあるんですね。

中途半端に細菌を引き出しただけになるんです。


エノキ
じゃあ、どのくらい泡立てたら、いいんでしょう?


ササミ
アメリカの疾病予防管理センターのHPがあります。

石鹸による泡立て、その時間を計る目安として、歌が使われているんです。




(ベンジャミンが、便所マンに聞こえた)





「ハッピーバースデー2回分の手洗いは、病気を防ぐ最善策」

石鹸を泡立てて洗うのに、最低20秒以上かけること。

Happy Birthday の歌を2回繰り返すと、20秒以上の目安になります。



ササミ
手洗いは、石鹸を泡立てて、20秒以上!

中途半端な手洗いは、逆効果になることも。

エノキ
ガッテン! ガッテン!





NHK ためしてガッテン 2013年 05月号 [雑誌]




わかりやすい細菌性・ウイルス性食中毒


 





ササミ
意外と知らないことが多かったですね。

エノキ
あやしいなと思ったら 食べ物のニオイを嗅いだりしますが、それだけだと分からないんですね。

ササミ
ウェルシュ菌の話も、興味深かった。

エノキ
加熱を過信しては、いけないのか。

ちゃんと、冷蔵庫に入れたりしないと。

ササミ
これからは、手洗いも、しっかり目にやります。

エノキ
ハッピーバースデー、2回分ですね!

長めにしたい時は、マリリン・モンローみたいに歌えばいい!



[まとめ]


・クサいから、
 食中毒になるわけではない。
・腐敗と食中毒は、別物。
・食中毒は、
 見た目やニオイでは
 分からない。

・ウェルシュ菌は、
 加熱では死なず、
 復活して増殖することがある。
・加熱後 2時間以内に、
 20℃以下に冷やすのが大事。

・中途半端な手洗いだと、
 シワなどから菌が出て、
 余計に広がる場合がある。
・ハッピーバースデーを
 2回歌うぐらい、
 20秒以上 石鹸を泡立てて
 手を洗うとよい。





次回は、「これぞスーパー日本茶 格安美味! 幸せ1200倍」。





NHKためしてガッテン ダイエット・暮らしの新常識事典




ストップ! 食中毒 つけない・ふやさない・やっつける [DVD]










 → 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 1月~3月」




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